広島に伝わる『あまんじゃく伝説』(No.2)

あまんじゃくは古事記に「鳴女(ときめ)、天より降りて天若日子(あめわかひこ)の門に居て、天神の詔を告る」とある天探女(あまのさぐめ)から転化したものではないかといわれます。天探(あまのさぐ)とは、天の神の動勢を探るという意で、天探女は天神の動勢をキャッチし、忠実にそれを下界に伝達する女神、つまり自然現象のやまびこを神化したものといいます。同じことしか伝えない女神を“ひねくれ者”とみて、天探−あまんじゃくというようになったという説です。だからやまびこのことをあまんじゃくと呼ぶ地方が多いのです。

あまんじゃくの話は全国に数多くあります。ほとんどがてんぐやカエルで人間であることは少ないのです。五日市町誌編集専門委員の野村喜一さんは「確かに珍しい形です。浅野藩の学者だった香川南浜が“秋長夜話”の中で中国の古典話二つを引用しています。それは親が息子に池の中に墓を造ってくれるように頼むのですが、息子は素直に池の中に墓を作ってしまうのです。

津久根島の話とそっくりで、案外、南浜のいうように原典は中国かもしれません。それをだれかが津久根島に結びつけたのではないでしょうか」と推察されています。

あまんじゃくの父 道空が祭ってある道空社(塩屋神社 内)




津久根島に関するサイト

塩屋神社



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